すざく衛星では、引き続き、観測機器の立上げ等を含む初期運用が続けられていますが、8月12日夕方から13日夕方にかけた運用で、2つ目の観測機器である4台のX線CCDカメラ(XIS)のカバーを開きました。その結果、小マゼラン星雲にある超新星残骸の、X線望遠鏡による像をX線CCDカメラにより観測することに成功しました。
4台のX線CCDカメラで得たX線像と、その像から得られたX線スペクトルの図を宇宙科学本部のWeb pageに掲載しています。この観測で、X線望遠鏡、X線CCDカメラが所期の性能を持っていることが確認されました。まだ詳細な較正は済んでいませんが、X線スペクトルには、高温ガス特有の輝線が多数見えており、これまで見えにくかった500-700 eV付近の輝線をくっきりと示しています。これは、新しい型のCCD(BI)が、これまでにない高い性能を持つことを示しているもので、このエネルギー帯に見える窒素や酸素の輝線の観測を通じて、新しい視点が得られると期待されます。
「すざく」は引き続き、3つ目の観測機器である「硬X線検出器」(HXD)の立ち上げを行っています。