すざく衛星は、CCDカメラ、硬X線検出器を用いて、順調に観測を進めております。その中で、回帰型X線パルサーA0535において、フレアから減光した時期の観測を行い、そのスペクトルにサイクロトロン吸収構造を検出しました。これは８月末にINTEGRAL衛星がサイクロトロン構造を観測してから１ケタ近く減光した後の観測でしたが、硬X線検出器はわずか 20 ksecの観測で、サイクロトロン吸収線を ＞5 sigma の有意度で検出し、そのエネルギーを 44.9+-1.3 keV と決定することに成功しました。よってX線放射領域の磁場強度は、重力レッドシフトを無視すると、(3.9 +- 0.1) e12 Gauss と推定できます。

詳しくは以下の記事をご覧下さい。

"Suzaku detection of cyclotron line near 50 keV for A0535+26"

ATEL # 613; H. Inoue (JAXA/Japan); H. Kunieda (Univ.Nagoya); N. White and R. Kelley (NASA/GSFC);T. Mihara and Y. Terada (RIKEN/Japan), H. Takahashi, M. Kokubun, and K. Makishima (Univ.Tokyo); and the Suzaku Team on 26 Sep 2005; 1:34 UT

すざくとしてはこれまでに２０以上の天体を観測し、その成果が徐々に現れて来ております。その一端は天文学会にも何らかの形で報告しますので、これら試験観測の結果を元に、来年４月からの公募観測への提案を考えて頂ければ幸いです。