[an error occurred while processing this directive] トップ > すざく > 新着情報 > 2005-12-29

すざくnews #8: ガンマ線バースト、軟ガンマ線リピータと太陽フレア

すざく衛星のX線CCDカメラ(XIS)と硬X線検出器(HXD)が順調に動作していることはすでに報告しております。この度、HXDの外側に配置された大面積シールド部を用いた全天広帯域モニタ(WAM)によって、ガンマ線バースト(GRB)のプロンプト放射、軟ガンマ線リピータと太陽フレアの検出が開始されていることをご報告いたします。

HXD検出器チームは、8月22日よりWAMのGRB検出機能をスタートさせ、立ち上げ作業を行って、10月、11月、12月 にはSwift衛星で検出されたガンマ線バースト GRB051008、GRB051111、GRB051221Aの検出に成功しました。特にGRB051008では50 keVから2 MeVに渡る広いエネルギー範囲でのスペクトルが取得できました。これらの結果はGCN4297, GCN4299, GCN4393として、GCNに報告されております。今後も、Swift衛星の結果と組み合わたkeV-MeV領域の広帯域スペクトルからプロンプト放射に関する有益な情報を得ることができるのではないかと期待します。これら以外に他衛星で検出されたものも加えると、GRBと確定したイベントは12月21日現在、17個にのぼっております。

こうした観測結果を「すざく」衛星のホームページを通じて、広く公開する事とし、すでに運用を開始しております。こうしたWAMデータは常に得られているデータのため、公募観測(AO1)での募集は行いませんが、ホームページやGCNなどを通じて、できるだけ速く全世界に公開してゆく予定です。皆様の研究にお役立ていただければ幸いです。

さらにWAMは軟ガンマ線リピータ(SGR)と太陽フレアに関しても高い感度を持ちます。12月上旬には昨年巨大フレアを起したSGR 1806-20からと思われる小フレアを検出しております。また、8月後半から9月前半に渡る一連の巨大太陽フレア群を検出しました(最大でGOESクラス X6.2)。 これらのライトカーブの公開もホームページを通じて行っています。ただし、Xクラスの太陽フレアでは一部、放射線帯を検知して印加高電圧を下げる検出器保護機能が働き、データ取得が一部中止されている時間帯もありますが、今後もデータの取得できた範囲で公開を進めて参ります。

すざく衛星については
www.astro.isas.jaxa.jp/suzaku/
から、そして、HXD-WAMに関しては、そこからたどれる
http://www.astro.isas.jaxa.jp/suzaku/HXD-WAM/WAM-GRB
から詳細をご覧になれます。

宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部    
   すざくプロジェクトマネージャー   満田和久
 すざくプロジェクトサイエンティスト 国枝秀世
 すざく副プロジェクトマネージャー  高橋忠幸

すざく硬X線検出器広帯域全天モニタ(HXD-WAM)チーム
 青山学院大、埼玉大、理研、広島大、
 東大、JAXA宇宙科学研究本部   

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