2011年9月1日

X線天文衛星「すざく」によるX線観測の第7期公募(AO-7)のご案内

すざく プロジェクトマネージャー   満田和久
   (宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所)
すざく プロジェクト副マネージャー  高橋忠幸
   (宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所)
すざく プロジェクトサイエンティスト 國枝秀世
   (名古屋大学)

<はじめに>

宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所はX線天文衛星「すざく」を2005年7月10日に打ち上げ、X線CCDカメラ(XIS)と硬X線検出器(HXD)による観測を順調に進めて来ました。国内外の研究者により、これまでに多数の天体観測が行われ、「すざく」が持つ高感度広帯域の分光性能を活かした数々の研究成果が発表されています。2006年4月からは、世界中からの観測提案に基づく公募観測を実施して来ました。ここに、2012年4月から1年間実施する第7期一般公募観測(AO-7)への観測提案を下記の要領で公募致します。

 本一般公募観測(AO-7)での主な変更点は、

  • HXD nominal positionにおけるHXDの標準応答関数の供給やXISの非標準読み出しクロックの使用を廃止する(観測提案の諸条件(10)を参照)。
  • P-sum/timingモードを用いた観測の総採択時間の上限 (総観測時間の5%まで) を撤廃する(観測提案の諸条件(9)を参照)。
  • ガンマ線バーストのRealtime ToOの観測提案を「すざく」チーム外のすべての研究者から受け付ける(観測提案の諸条件(8)を参照)。
の三点です。
 また、本一般公募観測においても、AO-6と同様に、
  • 「すざく」の性能をフルに活かした特徴的な観測を実施するためのKey Project観測提案を「すざく」全体で 2000 ksec採択する。
  • Key Projectに提案する天体のサブセットを、総観測時間250ks以下の一件に限り、本一般公募観測に重複して申請することを認める。
  • 一提案あたりの総観測時間の上限を400ksec以下とする。このうち総観測時間が300ks以上の提案による観測データは、これまで通り、初期データ処理を終えたあと、即時公開する(PIによるデータの占有期間は設けない)。
を継続して実施します。
 Key Projectでは、重要な科学的問題に挑み、後世に亘って利用されるlegacy的なデータを取得することを目指しています。Key Projectのデータは、観測が終了し所定の初期データ処理を終えたあと、即時公開となります。長時間の観測で得られる重要なサイエンスは「すざく」プロジェクト全体にとっての貴重な共有財産となりますので、データ占有権にとらわれることなく、長い時間を使うことで「すざく」の特長を充分に活かすような提案を積極的にお寄せ下さいますようお願いいたします。
 AO-7でも、AO-4観測期間より実施しているChandra衛星との連携プログラム (Joint Chandra/Suzaku proposals) 、AO-6観測期間より実施しているFermiとの連携プログラム (Suzaku-Fermi joint program) を継続する予定です。ChandraおよびFermiとの連携プログラムへの応募はぞれぞれChandra Guest Obsever Program およびFermi Guest Investigator program より受け付けます。それぞれのweb pageを参照してください。

<すざく衛星>

 「すざく」衛星には、高エネルギー側10 keVまでのX線を高効率で集光結像するX線望遠鏡(XRT)が搭載され、その焦点面にはX線CCDカメラ(XIS)が置かれています。XISは、広がった天体の撮像分光観測に特に威力を発揮します。AO-2以降は、電荷注入法により、エネルギー分解能の劣化を抑えています。硬X線検出器(HXD)は、600 keVまでの広い波長域で、これまでにない高い感度を持ちます。XISとHXDを合わせた0.2-600 keVでの広帯域観測は、「すざく」衛星の大きな特長と言えます。これらの観測機器の詳細を記述した技術資料 (Technical Description document)、試験観測期間や、これまでの公募観測期間に観測されたの天体リストを、「すざく」衛星のホームページ

に掲載しています。

<衛星運用計画>

 2006年4月以降、「すざく」衛星の通常観測時間は、すべて公募観測に充てられており、AO-7でも同様です。ここで通常観測時間とは、衛星メンテナンス等のために必要な以下の(a)〜(c)の時間を除いた残りの時間(全体の87%)のことを指します。

(a)Observatory Time(3%):姿勢制御、衛星の保守等に充てられる時間。
(b)Calibration Time(5%):搭載機器の較正用の観測に充てられる時間。
(c)Director’s Discretionary Time(5%):全く予想していない天体での突発現象、ガンマ線バースト等、「すざく」で観測すべき現象の観測に充てられる時間。AO-5から、この時間枠を使い、MAXI観測運営委員会からの提案に基づく共同観測(MAXI ToO観測)を実施しています。

通常観測時間は、1日の実観測時間を38 ksecとして1年間で11902 ksec (= 38 ksec × 360d × 0.87)です。AO-7ではこれを以下のように配分します。
(1)日本観測時間 5451 ksec(ESA 909 ksec、日本その他4542 ksec)
(2)米国観測時間 3963 ksec
(3)日米共同観測時間 488 ksec
(4)Key Project時間 2000 ksec
AO-1以来、(1)の日本側観測時間から、そのほぼ1/6にあたる時間を日欧共同観測時間としてESAからの観測提案に割り当てておりますので、日本側観測時間からこの分を差し引いた4542 ksecが、公募対象となる純然たる日本の観測時間です。日米欧以外の外国の研究者は日本時間の枠に提案して頂きます。その審査は日本国内の提案とまとめて日本側で行い、採択する合計の観測時間はESA枠を越えない範囲とします。(3)日米共同観測時間は、同じターゲットが日米双方で採択され、それぞれのPIが共同研究に同意した観測提案が割り当てられる時間です(観測提案の書式に、そのような共同研究を許容するかどうかを選ぶチェックボックスがあります)。Chandra および Fermiとの連携プログラムに基づく観測は、提案者の所属機関に応じ、(1)〜(3)に含めてカウントされます。(4)のKey Projectは、本一般観測公募とは別枠で公募を行います。

<観測提案の諸条件>

(1) これまでに「すざく」で採択した天体のリストは以下のURLに示されています。
ここに掲載された優先順位A、Bのターゲットは観測されることが保障されていますので、それらを再提案されても、特別に新しい要素(全く別の観測モード、広がった天体の別の場所、変動する天体の別の位相など)がなければ、採択される可能性は低くなります。一方、AO-6で優先順位CおよびToO(Target of Opportunity observation)で、まだ観測されていない天体については誰でも再提案できます。提案しようとしている天体が既に観測されているかどうかは、
で調べることができます。但し、AO-7の公募締切後にAO-6(2012年3月まで継続)で観測され、観測時間が提案の70%以上に達した天体の観測は完了したとみなしますので、例えAO-7で採択されても観測は行われません。70%に満たない場合には、同じ提案者以外の新提案が採択されれば、AO-7で独立に新提案に沿って観測を実施します。同じ提案者ならば、追加の観測を行います。

(2) 提案する観測時間の長さについては、目的とするサイエンスに必要な統計を考慮して、十分な理由付けを提案書に明記して下さい。1指向観測あたりの観測時間は、衛星の運用の効率から考えて 10 ksec以上とします。観測時間の上限は400ksec以下とします。観測時間を長くすると、その分だけサイエンスの重要度が要求されることになります。400ksecを超える観測時間を要求する場合には、別途公募するKey Project観測に応募して下さい。また、総観測時間300ks以上の提案に基づく観測データは、観測が終了し初期データ処理を終えたあと、即時一般に公開されます。PIによるデータの占有期間は設けませんのでご注意下さい。

(3) 同一天体の連続観測については、星姿勢系への月の漏れ込みや、他のTime Critical観測(以下の(6)項を参照)との干渉のため、保障できる連続積分時間は100ksまでです。それ以上の連続観測は、運用チームの努力目標となります。同一天体の長時間観測を提案される場合には、途中で観測が切れても科学的価値が失われないように十分配慮して下さい。

(4) AO-4で導入したKey Projectの観測公募を引き続きAO-7でも行い、別に審査を行います。Key Projectの詳細については別途Key Project公募案内を参照して下さい。Key Projectには観測時間の上限はありません。これにより、同一天体の長期観測、広い天空領域のマッピング、AO期間の枠を超えたモニター観測など、「すざく」の特長を最大限に引き出す様々なプロジェクトが可能になります。Key projectの提案は一般公募と同じ締め切りで受付け、日米で別々の第一段審査をした上、公開のワークショップでの提案発表を経て、観測運営委員会で採否を決定することになります。こうした貴重な観測データをなるべく早く研究者間で共有するため、Key projectの観測データは即時公開になります。

(5) 本一般公募とKey Projectの観測提案の中に一つでも同一の天体が提案されていて、それらの共同研究者リストに1人でも重複があった場合は重複申請とみなされます。AO-6以降、本一般公募枠へのKey Project枠との重複申請は、一般公募に提案された天体群がKey Projectに提案された天体群の一部となっている場合に限り、1提案に限って認めることに致しました。すなわち、Key Project枠に提案した天体の一部を、本一般公募に、1提案に限って提案することができます。ただし、本一般公募への提案の中に、Key Projectへの提案に含まれない天体が存在する場合、また、本一般公募への提案に含まれる天体の観測時間が、Key Projectへの提案に含まれる同じ天体の観測時間を超える場合には、その提案はKey Projectへの提案の一部とは見なされず、どちらの提案も審査に付することなく却下されますのでご注意下さい。
 上記の場合以外には、同一の天体を一般公募枠とKey Project枠に重複して提案することは、サイエンス目的や観測手法がが異なっていたとしても一切認めません。Key Project 1提案に対し、本一般公募に2件以上の重複応募があった場合は、Key Project提案を含めて関係する全ての提案が審査に付することなく却下されますのでご注意下さい。
 本一般公募枠にKey Projectとの重複申請をする場合には、Key Projectの観測提案書にその旨を明記して下さい。本一般公募枠への提案書には、Key Project観測の一部であることを書く必要はありません。

(6) 突発的現象を予想できる場合には、本一般観測公募にToO観測(Target of Opportunity observation)として提案することができます(Reserved ToO観測)。この場合、ターゲット名など通常の提案を行う際の情報に加えて、Reserved ToO観測を発動する条件(トリガー条件)、その突発現象がAO-7の期間中に起こる確率、現象の継続時間を提案に記入して下さい(応募要項5-(2)を参照)。ターゲット名を指定しないReserved ToO観測提案(例えば「近傍で発生する超新星爆発の観測」、「次に発生するNovaの観測」など)は受け付けません。ターゲットリストに挙げることができる天体数は5個までとします。また、トリガー条件を満たした場合に、これらの天体を何個まで観測したいのか(最大トリガー数)を提出書類(3)のScientific Justification中に明記して下さい。その際、本一般公募観測の総観測時間の上限((2)項)にご注意下さい。たとえば一天体あたり100 ksecの観測時間で5天体を提案した場合、総観測時間の上限が400ksecですので最大トリガー数は4個までに制限されることになります。また、最大トリガー数が2以下の場合には、PIに1年間のデータ占有権が発生しますが、最大トリガー数が3以上の場合には、総観測時間が300ksとなりますので、PIにはデータの占有権は発生せず、初期データ処理が終了後、データは即時一般に公開されます。

(7) 天体現象の位相や、同時観測計画に合わせて、観測の時期を指定することもできます(Time Critical observations:TC)。この場合、運用チームは運用の許す範囲で、その実現に努力します。 TCには、運用チーム側で長期観測計画を策定する際に、太陽角条件以外の制限を考慮する必要のあるものが全て含まれます。たとえば望遠鏡光軸周りのRoll角を指定する場合、時間変動する天体を複数回に亘って観測する場合(半年おきに1回ずつというような緩いものであっても)、目的天体の他に時間的に接近したバックグラウンド観測を必要とする場合がすべてTCに属します。これらの場合は申請書のTCとある欄に印をつけて下さい。同時観測については、提案時に計画が具体化していなくても、採択後に同時観測を組織するつもりの場合には、TC観測として提案して下さい。「すざく」の観測スケジュールは、ToO観測などの割り込みによって、観測実施直前であっても変更されることがあります。このために他波長での同時観測が「すざく」に追随できなくなったとしても、TC欄に印がない場合には、運用チームとしては「すざく」の観測スケジュールの調整には応じかねます。

(8) 全く予想していない天体での突発現象、ガンマ線バーストや、「すざく」で観測すべき現象が起きた時には、DDTを用いてToO観測する用意があります(Realtime ToO観測)。Realtime ToO観測の提案は本一般観測公募の締め切り後も随時受け付けます。その際、提案者は、本当に観測を行う価値があるかどうかを「すざく」プロジェクトチームが判断するため、

にあるフォームを埋めて、速やかに「すざく」マネージャーにメールで送信して下さい。アドレスは
suzaku_managers 'at' astro.isas.jaxa.jp
です。観測が行われた場合、データはすぐに公開します。なお、ガンマ線バーストについては、AO-6までは「すざく」科学ワーキンググループが各種ネットワークからの情報に基づき観測を計画することとしていましたが、本AO-7では世界中のすべての研究者から受け付けることとします。

(9) XISについては、通常の撮像モード(ノーマルモード)に加えて、P-sum/timingモードでの観測を受け付けます。このモードでは、1次元のイメージ情報しか得られない代わりに、光子のパイルアップが起きにくく、また高い時間分解能(最高7.8msec)を得ることができます。ただし、XIS3でしか使用できず、下記(10)にあるとおり、HXDノミナル位置の観測でも使用できません。また、SCI(Spaced-row Charge Injection)が使えずCTI補正もできないため、軌道上での放射線損傷によるエネルギー分解能の劣化が補正されず、しかもエネルギーレスポンスの較正精度を上げることが難しいなど、様々な制約があります。詳細は、技術資料を参照して下さい。

(10) 目標天体の検出器上での観測位置として、AO-6まではXISノミナル位置、HXDノミナル位置の2つをサポートしていましたが、AO-7からはこのうちのHXDノミナル位置でのサポートを廃止します。具体的には、これまでHXDチームが供給してきたHXDの標準応答関数が供給されなくなります。またXISについては、標準と異なる読み出しクロック(P-sum/timing modeやwindow/burst option用のクロック)が使用できなくなります。ただし、提案者の判断により、XISの標準の読み出しクロックを用いてHXDノミナル位置で観測をしていただくことに問題はありません。この場合、応答関数は、XIS、HXDの応答関数作成ソフトを使用して、観測提案者が自ら作成していただくことになります。

<提案採択の手順とスケジュール>

(1) 日本側の公募の締切は2011年11月10日(木)正午(日本時間)です。これにはESA加盟国および米国を除く諸外国からの提案も含みます。その後、すみやかに日本国内のレフェリーによる査読が行われます。レフェリーにはX線天文学関係者だけでなく関連分野の研究者も含まれます。レフェリーによる評価に基づき、2012年2月の観測運営委員会において日本時間の採択提案を決定します。この時、欧州からの提案も取り込みます。2012年2月下旬〜3月上旬に日米調整委員会を開き、Key Projectと一般公募提案の採択提案を決めます。2012年3月の終わりまでに採択提案の公表を行います。

(2) 採択提案は優先順位によりA, B, Cの3つのカテゴリーに分けられます。優先順位Aのターゲットは予定期間(2012年4月から1年間)に優先的に観測します。優先順位Bのターゲットは予定期間に観測することを目指しますが、場合によっては次期に持ち越される可能性があります。優先順位Aの天体については、採択された観測時間の90%、優先順位Bの天体については70%に相当する時間の観測が行われた時点で観測が終了したと見なされます。優先順位Cのターゲットは、観測時間に空きができたら、拾い上げて観測される可能性があります。通常観測時間(すざく全体で11902 ksec)をTとすると、優先順位Aには、Key Projectとあわせて、レフェリーによる評点が上位のものから積分時間が0.6T(= 7141 ksec)に達するまでの提案が採択されます(Key Projectは最大2000 ksec)。Bには、そこから積分時間が0.3Tに達するまで、Cにはさらにその下の0.5Tまでが採択されます。つまり全体としてCを0.4T分だけ余分に採択しますが、これは、別枠になっている13%の時間に余裕ができたときに、優先順位Cの天体の観測で補うためです。

(3) Reserved ToO観測、TC観測は、観測スケジュールを立案する上での制限となるため、重要な科学的意義をもつ観測提案に限り、全体の観測時間の15%程度以下を目安に採択することとします。

<観測データの占有権>

 一般公募で採択された提案に基づく観測データの場合、提案者にはそのデータを1年間占有する権利が与えられます。占有期間の開始は、提案者がデータを解析可能になった日からとします。Key Projectによる観測、Realtime ToO観測、総観測時間が300ks以上の提案に基づく観測のデータはただちに公開されます。




応 募 要 項

1 公募項目

 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所X線天文衛星「すざく」による、2012年4月より1年間のX線天文観測

2 応募資格   日本の大学、研究機関に所属する研究者

 大学院生が応募する場合は指導教員、又はこれに相当する方が共同研究者に入るものとします。外国人研究者も、この公募期間を含めて長期にわたり日本の大学・研究機関に滞在する場合には日本側に応募できます。また外国人を共同観測者として含んでも差し支えありません。海外学振をはじめとする日本側の費用で海外機関に滞在している日本人研究者は、日本、もしくは海外のいずれか一方のみに応募することができます。この場合、すべての観測提案をいずれか一方にまとめて提出すること。観測提案Aは日本へ、観測提案Bは海外へ、というような分散投稿は提案者間の公平性を損なうため認められません。米国の研究組織に属する方はNASAへ、ESAの加盟国の研究組織に属する方はESAへ、その他の国の研究者は日本へ応募するものとします。また、同一の提案を日本とアメリカ両方に出すことは(主提案者でなく共同提案者であっても)許されておらず、両方とも不採択となります。

3 応募締切   2011年11月10日(木)正午(日本時間)

 応募はRPS(Remote Proposal-submission System)による電子投稿のみとなります(詳細は以下を参照)。公平を期すため、投稿は当日正午12:00(JST)までに宇宙研のサーバに到着した分をもって厳密に受付を打ち切りますので、充分な余裕をもって応募されるようお願いいたします。

4 応募方法

 次節5に示す書類一式をRPSによって電子的に投稿して下さい。RPSは9月中旬に利用可能となる予定です。

5 応募書類

 以下の3種類の書類を提出していただきます。

(1) Cover Page (1 page):観測提案者、提案の題名、概要などの基本情報。

(2) Target Form (1 page):観測ターゲット名やX線強度、希望する観測モードの情報。ここに書き込まれる天体のパラメーターや観測条件等が、採択後の観測計画作成にそのまま利用されるので、間違いのないよう正確に入力して下さい。運用チームが観測計画を立てる際に必要な情報は、このページに全て書き込まれている必要があります。観測条件について細かい指定がある場合にはRemarks欄に書き込んで下さい。特に、以下の点にご注意下さい。

(a) 3台あるXISのうち、XIS3をPsum/timingモードに設定することができます(XIS0、XIS1は通常の撮像を行うノーマルモードしか使用できません)。XIS3でPsum/timingモードを使用する場合、XISの観測モードはNORM/PSUMのうちのPSUMを指定し、Remarks欄に、XIS3以外のXISをどのようなモードにするか(Burst/Windowオプションなど)を書き込んで下さい。HXDノミナル位置ではPsum/timingモードは使用できません。

(b) TC観測については上記 <観測提案の諸条件> (7)に詳しい説明があります。自分の観測がTCと判断される場合には、必ずTC欄をYesにして下さい。Remarks欄に必要十分な観測条件を書き込み、Target Formだけを見れば(Scientific Justificationを参照することなく)、運用チームが観測を実施できるようにして下さい。

(c) Reserved ToO観測の場合、トリガー条件と、AO-7期間中にトリガーがかかる確率を必ずRemarks欄に書いて下さい。記載がない場合には100%と見なしますが、採択の際に、プロジェクト側ではこうした提案の積分時間を100%として積み上げざるを得ないため、トリガー確率を正しく記入していただければ採択されたであろう下位のToO観測提案の採択を妨げることになります。例えば、観測時間200ksで、トリガー確率が20%の提案の場合、プロジェクト側では40ksの観測として採択し、残りの160ksで下位のToO観測提案の採択に回しますが、トリガー確率が書かれていないと200ksの観測として採択せざるを得ず、下位のToO観測の採択ができなくなります。こうした事態を避け、「すざく」の観測時間をコミュニティ全体で有効に活用するため、AO-7期間中にトリガーがかかる確率を必ず記入して下さいますようお願いいたします。

(d) Reserved ToO観測でPsum/timing modeを使用したい場合には、運用チームがモード設定の準備をするため、観測開始まで3日の余裕をみていただきます。

(3) Scientific Justification:解明を目指す課題の科学的重要性や、その実現可能性を最大4ページ以内で説明して下さい。

このうち(1), (2)は指定した書式に従って英文で作成して下さい。 に入り、interactiveに作成し投稿することができます。(3)は4ページ以内の自由書式で英文、和文どちらでも受け付けます。(1)から(3)のすべてが揃った段階で投稿が可能となります。RPSに従って(1)と(2)を投稿した後、別途作成した(3)をpdfもしくはps形式でuploadしていただくことになります。

6 参考資料

 「すざく」衛星の性能等、詳細を知りたい方は宇宙科学研究本部の「すざく」ホームページで技術資料(Technical Description)を見ることができます。

この技術資料は最新の情報を取り入れ、9月中旬に改訂を計画していますので、それまでは現在の資料を基に大まかな計画を立て、改訂版で詳細な提案にするようお願い致します。また、X線天文関係者以外の方にも「すざく」のデータ解析を試していただくため、 に簡単なデータ解析方法の解説と共に、典型的なX線天体のデータもいくつか公開してありますのでご利用下さい。

7 問合せ先 (e-mail)

 「すざく」の第6期観測公募(AO-7)についてのお問い合わせは



までお願いします。