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すざく観測速報3: 超新星残骸から芽生える新しい息吹

〜星の終着駅は, 次の星の始発駅〜

本記事は天文月報99巻2号に掲載されました。

白鳥座ループは, 一万年ほど前に太陽系からたった440パーセク(約1400光年)ほどで起きた超新星爆発の残骸です. そんな昔の爆発ですが, そこには今でも星の化石がそのまま残っています. 化石と言っても, 星の内部で生成された重元素です.「すざく」衛星はその高性能を発揮し, 図のように, 珪素, 酸素, 窒素さらに炭素などからの輝線をみごとに検出しました. 超新星によってまき散らされたこれらの元素が, 次の新しい星をつくる材料となってゆくのです.


図:白鳥座ループ北東端からのエックス線スペクトル。従来型のCCD(表面照射型の素子)に比べて、新しいCCD(裏面照射型の素子)は低エネルギー側で高い感度を持つ。炭素より重い重元素の輝線がずらりと並ぶ。

文責: 常深 博(阪大), 勝田哲(阪大)

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