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すざく観測速報8: ガンマ線バースト残光をとらえる

〜「すざく」チームの長い一日〜

本記事は天文月報99巻4号に掲載されました。

ガンマ線バーストは, 残光と呼ばれる次第に減衰するX線放射を伴います. これを観測すれば, バーストの原因とされる光速に近いジェットのエネルギーや形状などに関する情報が得られます. 「すざく」のX線CCD カメラと硬X 線検出器は, 0.3から数百キロ電子ボルトという広い帯域で高い感度を持っており, バースト発生直後に衛星の視野をそちらへ向けて残光を観測することが, たいへん重要となります.

2006年1月5日(日本時間)の16時ごろ, アメリカのSwift衛星から, 「すざく」で観測可能な空に, 明るいガンマ線バースト(GRB060105)が発見されたとの連絡が入りました. 折しも正月明けのシンポジウム中でしたが, 直ちにチームメンバーが招集され, 残光観測の準備を開始しました. マネージャの裁可の後, 運用変更のコマンドを送信. 20:50に姿勢変更, 21:00には観測開始. バースト発生から5時間半. 打ち上げ後わずか半年の大型天文衛星としては, 記録的な早さです. 22時過ぎには最初のデータが衛星からおりてきて, 「すざく」最初の残光観測の成功が確認されました. 日頃の周到な準備と, 関係者の努力の賜物でした. 今後も, 慎重かつ迅速に残光観測を実施し, 「すざく」の特徴を活かした新しい結果を得たいと考えています.


図: 「すざく」のX線CCDカメラが捉えたGRB060105のX線残光.

文責: 中澤知洋(ISAS/JAXA), 中川友進(青山学院), 河合誠之(東工大)

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