中心領域で激しい星生成と連続的な超新星爆発を起こしている銀河をスターバースト銀河と呼びます.その激しい活動は,冷たい星間ガスを1千万度から1億度のX線プラズマにまで加熱します.銀河の重力では,もはやこのX線プラズマを閉じ込めることはできず,高温の「灼熱風」として銀河間空間へ放出すると考えられています.「すざく」衛星は,おおぐま座のM82銀河が放出する「灼熱風」が約11キロパーセクもの距離まで伸びる様子をはっきりと捉え,優れた分光能力により酸素や鉄などの重元素輝線を検出することに成功しました.
図: 「すざく」裏面照射型X線CCDで得た画像(上)とスペクトル(下).画像にはすばる望遠鏡の微光天体分光撮像装置で得られたM82の写真(国立天文台提供)を重ねた.