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光と温度

電磁波と温度
光の波長(エネルギー)は温度とも密接に絡んでいます。どのような物質でも、その物質の温度に対応した光(電磁波)を放射します。たとえば、太陽の表面は約6千度で、可視光を強く出しています。一方、X線は可視光の千倍から十万倍程度のエネルギーをもっているので、百万度から1億度という非常に高い温度に対応します。このくらいまで高温になると、物質はX線を強く放射するようになるのです。どのような温度の物質がどのような光を放射するか、その対応を右図にまとめてみました。また、具体的な天体の例も示してあります。

なお、日常生活では温度の単位として「摂氏温度(℃)」を使いますが、自然科学の世界では「絶対温度(K)」が用いられます。「絶対温度=摂氏温度+273度」という関係があります。ただし、X線を放射するような物質は数百万度から1億度という高温ですから、ほとんどの場合、摂氏温度を使っても絶対温度を使っても違いはありません。

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